身元調査お断り運動とは

身元調査は違反なの?

お見合い相手が安心できる人物なのか調べたいなどと考え、身元調査を依頼したいとネットで検索したら「身元調査お断り運動」というキーワードがヒットしてしまったことはありませんか。

また、お住まいの地域によっては市町村役場などに行った際に、身元調査は人権侵害だというポスターが貼ってある場合や地域の広報誌などで身元調査をしない、させないといった呼びかけや案内を見かけたという方もいるかもしれません。

身元調査は悪いもののように思える内容ですが、もし行ったら違法になってしまうのでしょうか?

最近見かける身元調査お断り運動とは

身元調査お断り運動は人権保護団体や地方自治体、寺院などが中心となって行っている不当な差別を防ぐための取り組みです。

昔から問題となってきた部落差別などが行われないようにという運動なのです。

個人の人柄や能力、適正とは異なり、部落出身というだけで社会からの排除や差別を行うことを目的に身元調査を行うことは人権侵害であると訴えています。

実際に結婚相手や企業への就職などの際に部落出身ではないかを調べる目的で身元調査を行っているケースが少なくないと訴え、不当な差別や人権侵害に繋がる身元調査は行わないようにしましょうという運動なのです。

身元調査禁止という法律が定められたわけではないので直ちに違法を問われるわけではありませんが、自治体によっては条例によって禁止しているところもあるので、差別目的の調査であると条例違反を問われるおそれはあります。

身元調査お断り運動をしている実例

たとえば、鳥取県では差別と偏見のない人権が尊重される社会を目指し、平成8年に鳥取県人権尊重の社会づくり条例を制定してしました。

過去に戸籍謄本や住民票などを取得されたケースでは、その目的は部落出身者かどうかを調べるためだったという証言も出ています。

こうした不当な身元調査を防ぐため、鳥取県では身元調査お断り運動を県民運動として推進しているのです。

毎年9月は身元調査お断り運動推進強調月間となっており、各市町村の住民票や戸籍謄本の取得窓口に「身元調査をしない!させない!許さない!」といったのぼりやリーフレットを設置するなどして、不当な住民票や戸籍謄本の取得予防を行っています。

昨今の個人情報保護の強化によりできなくなりましたが、過去には身元調査の情報収集のターゲットに寺院を利用するケースもありました。

なぜに寺院かといえば、寺院の過去帳を調べて先祖のルーツを探る場合や家系図を作成するといったケースがあるのです。

寺院の中にはこの調査を受けてしまったことで、部落差別事件へと発展してしまったケースもあります。

そのため、曹洞宗をはじめ、宗教団体の中には都道府県などと連携しながら、身元調査お断り運動を展開している団体も出てきています。

身元調査お断り運動に反しない依頼の目的や内容

では、あらゆる身元調査が人権侵害として禁止されてしまうのでしょうか。

この点、部落出身など出自にかかわるような差別につながる内容を調べるのでなければ問題ないと解されています。

たとえば、最近、婚活を行っている女性を狙って結婚詐欺をする事件が増えています。

そこで、自分のお見合い相手や娘さんや息子さんの結婚相手が、勤務先を偽っていないかや、多額の借金を抱えていないか、過去に結婚詐欺のようなトラブルを起こしていないかなどを調べるのは差別目的ではないので、許される範囲と言えるでしょう。